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利息制限法の上限金利を超え、過払い状態になった後で借りた金の返済に、その過払い分を充当できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は七日、充当を認め、借り手に有利な初判断を示した。

 充当できなければ借金返済までの利息が新たに発生するため借り手に不利となるが、地、高裁段階でも充当を認める判決が多かった。

 甲斐中裁判長は判決理由で(1)限度額の範囲内で一万円単位で繰り返し借り入れができる(2)返済は前月の債務残額を基準にした一定額を口座から引き落とす-という一般的なカードローン契約では「過払いの発生後、それを新たにできた借金の返済に充当するという合意があったと解釈できる」と指摘。消費者金融のオリエントコーポレーション(東京)の上告を退け、原告勝訴が確定した。

 原告は広島市の男性。一九八八年ごろから、同社で「オリコ」「アメニティ」という二種類のカードを作り、借り入れと返済を繰り返した。

 利息制限法上の金利で計算し直すと「オリコ」は九一年十二月ごろ、「アメニティ」は二〇〇二年八月ごろにそれぞれ返済が終わり、以後は過払い状態になった。過払い金の一部をその後の借り入れの返済に充当すると、〇四年一月末時点で過払い金は計約百六十万円になった。

 オリコ側は「過払いが生じた時点では貸し付けておらず、充当できない」と、男性側は「全体で一つの取引として扱うべきだ」と主張。〇五年七月の広島地裁判決、〇六年七月の広島高裁判決とも「各取引は全体で一つ」として男性側の主張を認めたため、オリコ側が上告した。

東京新聞

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