海外「出直し」ブランドの再上陸戦略

スウェーデンの世界的家具メーカー、イケアは７４年から日本の別会社にブランド提供する形で国内販売をしていたが８６年に撤退した。昨年、国内に直営店を開き、「再上陸」した。

　昨年４月オープンの船橋店（千葉県船橋市）と９月オープンの港北店（横浜市）をあわせ１千万人以上が来店する大ブームに。人気の秘密は、高品質やデザインの良さの割に低い価格だ。

　輸送コストを下げるため、梱包（こんぽう）サイズが最小になるよう考え抜いて設計し、組み立てを客に任せる「セルフサービス」。前回は百貨店の売り場の一部などを使った小規模な販売だったが、今回は数万平方メートルの巨大な売り場で展開している。

　当時は敬遠された組み立て式も「値段が高いモノが高級品という時代は去り、『安くなるなら自分でやるよ』という時代です」（広報）。来年は神戸、大阪、埼玉にも出店する予定だ。

　消費動向に詳しい日本総研の井上岳一・主任研究員は「日本は世界２位の市場で再挑戦は当然。ただ消費者の目は厳しく、失敗の教訓をどう生かすかが成功のカギ」と話している。
朝日新聞

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